検索エンジンは、情報収集ツールとしてプレゼン用の市場データを集めたり、商品を選ぶ前に口コミを確認したりといった用途に活用されています。しかし、従来の検索では、表示されたリンクを順に開き、ひとつひとつ目を通して答えを見つける必要がありました。
この状況を変えつつあるのがAI検索エンジンです。
AI検索エンジンは、話し言葉のまま質問しても、複数のウェブサイトから集めた情報をひとつにまとめて回答してくれます。eコマースを展開するビジネスであれば、ネットショップなどに組み込むサイト内検索として活用することで、顧客が曖昧なキーワードで検索しても適切な商品を案内できるようになります。
本記事では、AI検索エンジンの仕組みや選び方、おすすめのAI検索エンジンを紹介します。業務効率化を目指す企業やネットショップの集客力や顧客体験を高めたい企業は、ぜひ参考にしてください。

AI検索エンジンとは
AI検索エンジンとは、AI(人工知能)や大規模言語モデル(LLM)を活用して、ユーザーの質問やプロンプト(指示文)の意図を理解し、適切な情報を参照して分かりやすく回答する検索システムです。
AI検索エンジンはテキストだけではなく、音声検索や画像検索の機能を備えている場合もあります。たとえば、気に入ったTシャツがあれば、その写真を読み込ませたり、スマートフォンのマイクを通して特徴を伝えたりすることで、同様の商品がオンラインで販売されていないか調べられます。
AI検索エンジンと従来の検索エンジンの違い
AI検索エンジンと従来の検索エンジンは、検索方法と検索結果の表示方法が異なります。
従来の検索エンジンは、ユーザーが入力したキーワードに関連するページの一覧を提示し、ユーザー自身が複数のサイトを読み比べて答えを見つけます。
一方、AI検索エンジンは、質問文に対して、複数の情報源を参照した回答を参照元のリンク付きで提示します。さらに、AI検索エンジンは対話の流れを踏まえて回答を調整できます。「もう少し初心者向けに」「業種別に分けて」といった追加の指示にも応じ、やり取りを重ねながら答えを深掘りできます。

AI検索エンジンの仕組み
AI検索エンジンは、質問の意図を解釈し、ウェブ上から関連する情報を集め、回答を組み立てるという流れで処理を行っています。
これらを支えているのが、自然言語処理と検索拡張生成(RAG)という2つの技術です。
自然言語処理
自然言語処理(NLP)とは、入力された文章を解析し、言葉の意味を理解し処理する技術のことです。キーワードの羅列ではなく、質問や指示を入力すれば、文脈を踏まえて返答してくれるため、適切なキーワードを見つけられなくても、思いついた言葉のまま尋ねるだけで求めている情報にたどり着きやすくなります。
検索拡張生成
検索拡張生成とは、リアルタイムでウェブ上の情報を集め、その内容を根拠として回答を組み立てる技術のことです。学習済みの知識だけで答えるのではなく、その都度ウェブの情報を参照するため、最新の情報にも対応できるうえ、ハルシネーション(AIが誤った情報をまるで事実であるかのように出力する現象)も抑えられます。
また、回答のもとになったページのURLも明示されるため、ユーザーは情報の信頼性を自分で確認できます。
おすすめのAI検索エンジン5選
1. Perplexity
Perplexity(パープレキシティ)は、ChatGPT(チャットジーピーティー)のようなチャットに近いUIを備えたAI検索エンジンです。検索した質問に対する回答と合わせて、記事、画像、動画、商品の購入先へのリンクなども表示されます。
2. Copilot Search
Copilot Search(コパイロットサーチ)は、Microsoft(マイクロソフト)の検索エンジンBingに組み込まれたAI検索機能です。生成AIと大規模言語モデルにより、ウェブ上の情報を読み取り、要約した回答を返します。
3. Google
Googleは、生成AIのGemini(ジェミニ)を2つの形で検索に組み込んでいます。1つはAI Overviews(AIによる概要)で、検索結果ページの上部にAIが生成した要約を表示します。もう1つはAIモードで、質問に対する回答を得たうえで、追加の質問を重ねて詳しく調べられます。
4. ChatGPT search
ChatGPT search(チャットジーピーティーサーチ)は、OpenAI(オープンエーアイ)のChatGPTに組み込まれた検索機能です。自然な会話の形で質問すると、ウェブ上の情報をもとに、関連するウェブサイトへのリンクを添えた回答が返ってきます。
5. Felo
Felo(フェロー)は、日本のFelo株式会社が提供する多言語対応のAI検索エンジンです。特に日本語に特化した精度を強みとしており、最新情報にもリアルタイムで対応しています。回答には参照元URLが合わせて表示されます。
ECサイトでAI検索エンジンを活用する方法
市場調査や競合分析
AI検索エンジンは、市場調査や競合分析に活用できます。AI検索エンジンを利用することで調査にかかる時間を短縮し、浮いた時間を意思決定や施策の検討に回せます。また、情報の参照元が示されるため、資料作成時に根拠も提示しやすくなります。
たとえば、新商品に関する提案資料を作成する場合、従来は市場規模や競合ブランドの動向を複数のニュースサイトや業界レポートから集め、ひとつずつ読み比べる必要がありました。AI検索エンジンなら、調べたい内容を文章で質問するだけで、複数の情報源から集めた内容を整理して回答してくれるため、それまで調査にかけていた時間を、マーケティング戦略の策定などに充てられるようになります。
コンテンツの企画や制作
AI検索エンジンはコンテンツマーケティングでも活用できます。ターゲットが抱えている悩みや疑問が何か質問すれば、口コミサイトや個人ブログなどを横断して検索し、コンテンツで扱うべきトピックをリストアップしてくれるため、効率的にコンテンツを作成できます。
たとえば、自社で扱う商品の紹介記事を執筆する場合、購入を検討している人が抱えている悩みや疑問が何かをAI検索エンジンへ質問します。複数のサイトから集めた顧客の声が返ってきたら、それを記事で解説するテーマとして活用することで、顧客の不安を解消でき、購買を後押しできます。
AIサイト内検索の導入
AI検索エンジンは自社ECサイトの検索機能として取り入れることも可能です。ユーザーが入力した言葉から検索意図を理解し、それに適した商品やページを表示してくれます。また、表記ゆれや打ち間違い、曖昧な表現にも対応するため、検索結果が0件となりユーザーが離脱するのを回避できます。
たとえばアパレルECサイトの場合、従来のサイト内検索では入力された文字列を含む商品を探すため、商品名が「ホワイトブラウス」と登録されていると、「白いトップス」というキーワードではヒットしません。一方、AIサイト内検索では、「白」と「ホワイト」が同じ色であること、「ブラウス」が「トップス」の一種であることを理解できるため、「白いトップス」という検索に対し「ホワイトブラウス」も検索結果として返せます。
ECサイトにおすすめのAIサイト内検索ツール3選
1. ZETA SEARCH
ZETA SEARCH(ゼータサーチ)は、大規模ECサイト向けのAIサイト内検索アプリです。表記ゆれがあったり曖昧な言葉で検索されたりしても、ユーザーの意図に近い商品を提示します。また、検索行動をAIが学習するため、使われるほど検索の精度が上がります。業界特有の検索条件やニッチな商材にも対応できる柔軟性の高さも特長です。
料金:要問い合わせ
2. ユニサーチ
ユニサーチは、ECサイトに特化したAIサイト内検索エンジンです。サイト内の購買行動データをAIが分析して、売れる可能性の高い商品を検索結果の上位に自動で表示します。また、175万語以上の表記ゆれ辞書を備えているほか、季節やトレンドを自動で反映するので、手動でキーワードなどを調整する必要がありません。検索ボリュームが増えても月額利用料金は固定のため、安心して導入できます。
料金:要問い合わせ
3. NaviPlusサーチ
NaviPlusサーチ(ナビプラスサーチ)は、ECサイト向けのAIサイト内検索サービスです。AIが検索履歴をもとに自動で辞書を生成するため、サイト特有の表記ゆれにも対応できます。加えて、検索意図を補完する機能により、検索結果が0件になるのを減らせます。行動履歴をもとに、パーソナライズされた検索結果を表示することも可能です。
料金:要問い合わせ
AI検索エンジンの選び方
AI検索エンジンを選ぶ際は、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 利用目的に合っているか:Googleのように使い慣れた検索エンジン上で利用したいのか、検索結果をもとに資料まで作成したいのか、それとも自社ECサイトの検索機能を強化したいのかによって、選ぶべきサービスは変わります。
- 料金体系が自社に合っているか:多くのサービスには無料プランがありますが、質問回数などに制限がある場合もあります。有料プランは月額数千円のものから、利用量に応じて変動するものまでさまざまです。まず無料プランで使い勝手を確かめてから、予算に合ったサービスを選びましょう。
- 参照元が明示されるか:AI検索エンジンの回答には誤りが含まれる場合があります。回答のもとになったページのURLが示されるサービスであれば、情報が正しいかどうかを自分で確認できます。
まとめ
AI検索エンジンは、自然な文章で質問すると、複数の情報源を参照した回答を出典付きで返してくれます。
AI検索エンジンを選ぶ際は、利用目的や料金などで比較すると判断しやすくなります。効率的に情報収集したいのか、自社サイトの検索機能を強化したいのかによって、適したサービスは変わります。無料で試せるサービスも多いため、まず使い心地を確かめたうえで検討するとよいでしょう。
また、出典を確認できるかどうかも判断ポイントになります。信頼性の高いAI検索エンジンを選び、業務効率を高めましょう。
AI検索エンジンに関するよくある質問
AI検索エンジンとは?
AI検索エンジンとは、ユーザーが入力した言葉や文章から検索意図を理解し、複数の参照元から得た情報を要約して回答してくれるシステムです。
AI検索エンジンと従来の検索エンジンの違いは?
従来の検索エンジンがキーワードに関連するリンク一覧を返すのに対し、AI検索エンジンは文章での質問に、複数の情報源を参照して回答し、出典も提示します。
おすすめの無料AI検索エンジンは?
- Perplexity
- Copilot Search
- ChatGPT search
- Felo
AI検索エンジンはネットショップ運営でどう活用できる?
AI検索エンジンはAIサイト内検索に活用できます。ユーザーが入力した言葉から検索意図を読み取り、表記ゆれや打ち間違いにも対応するため、検索結果が0になりにくく、適切な商品を表示できます。それにより、顧客体験の向上や機会損失の防止につながります。
AI検索エンジンを使用する際の注意点は?
AI検索エンジンを使用する際は、回答が誤っている場合があることに留意する必要があります。示された参照元へ目を通して、情報に間違いが無いか確認してください。また、入力内容がAIの学習に使われる場合があるため、機密情報や個人情報の入力は避けましょう。




