オンラインショッピングの世界では、顧客が商品を見つける経路がかつてないほど多様化しています。YouTube動画の視聴中、Instagramの閲覧中、ニュースレターを読んでいる最中など、あらゆる接点が通常はウェブサイトへの入口になります。しかし、そこから顧客は、最初に目にした商品を見つけるために複数のページを移動しなければならないこともあります。
ショッピング機能付きコンテンツは、こうした回り道を省きます。画像から直接購入したり、サードパーティのプラットフォームを離れることなく購入を完了したりできます。実際、米国の18〜34歳のデジタル購入者の約3分の1が、すでにFacebook、Instagram、TikTokなどのSNSチャネルで直接買い物をしています。
顧客がいる場所で販売することは、思っているほど難しくありません。適切に作成されたショッピング機能付きコンテンツがあれば、ネット上で商品を眺めているだけの人々を新規顧客へと変えることができます。
ショッピング機能付きコンテンツとは
ショッピング機能付きコンテンツとは、写真、動画、ブログ記事、SNS投稿などにショッピング機能を組み込んだインタラクティブなメディアのことです。ユーザーがコンテンツから直接購入できるようにしたり、ショッピングカートや商品ページへ直接リンクしたりすることで、購入までのステップを減らします。eコマースと魅力的なコンテンツを組み合わせ、よりスムーズなショッピング体験を実現するものです。たとえば、インテリアブランドがInstagramにコーディネートしたリビングルームの写真を投稿し、閲覧者がテーブル、鏡、花瓶などを直接タップして購入できるようにするといった使い方があります。
ショッピング機能付きコンテンツは、消費者がオンラインで目にするさまざまな場所に表示できます。ファッションブランドなら、ファッションショーやストリートスナップを紹介するSNS投稿にショッピングタグを追加できます。料理ブログなら、レシピに食材や調理器具へのリンクを設置できます。フィットネスブランドなら、エクササイズ動画をインタラクティブなショッピング体験に変え、視聴者が動画内で紹介されているウェアや器具をクリックして購入できるようにできます。
通常は、Instagramショッピングタグ、TikTok Shop、Pinterest商品ピンなどのSNSツールを活用し、各プラットフォームを商品の発見と購入の場に変えます。また、サードパーティツールを使用したり、カスタムソリューションを開発したりして、コンテンツ管理システム(CMS)やモバイルアプリにショッピング機能を統合することも可能です。たとえば、園芸店がCMSにショッピング機能付きプラグインを追加すれば、植物の育て方ガイドに商品リンクを埋め込み、読者が特定の品種について学びながら、種子、道具、土を購入できるようにできます。
ECビジネスがショッピング機能付きコンテンツを活用する理由
ショッピング機能付きコンテンツは、「これが欲しい」と思ってから「購入した」状態になるまでの余分なステップを省きます。企業が写真、動画、SNS投稿を購入のきっかけに変える理由は、次のとおりです。
購入までの流れをスムーズにする
ショッピング機能付きコンテンツを使えば、顧客は最初に興味を持った写真、動画、SNS投稿から直接購入できます。オンラインストア内を移動したり、複数のページをクリックしたりする必要はありません。また、ショッピングカートや商品ページまでの導線をシンプルにし、ホームページではなく特定の商品ページへ買い物客を直接誘導することもできます。
トラッキングとインサイトを向上させる
顧客がコンテンツを通じて直接購入すると、どの写真、動画、投稿が売上につながっているかを正確に把握できます。たとえば、Instagramショッピングの分析によって、ショッピング機能付きの冬のコーディネート動画が、「一緒に準備しよう」形式の動画の3倍の購入につながっていることが分かるかもしれません。こうした情報をもとに、同じような季節コンテンツを優先したり、今後の在庫判断に役立てたりできます。
リアルタイムで在庫状況を表示できる
ショッピング機能付きコンテンツは、在庫管理システムと連携し、リアルタイムの在庫状況を表示できます。これにより、購入しようとした商品が売り切れや取り寄せ中だと分かってがっかりする事態を防げます。また、買い物客が気になっている商品に「残り3点のみ!」と表示することで、購入を後押しすることもできます。
モバイルで買い物しやすい
消費者はすでに、スマートフォンでSNSアプリをスクロールしたり、YouTubeを視聴したり、メールを確認したりすることに多くの時間を費やしています。また、支払い情報が保存され、すぐに使える状態になっていることも少なくありません。商品タグをタップするだけで、こうした日常的なモバイル上の行動をそのまま購入につなげられます。顧客がアプリを切り替えたり、支払い情報を再入力したりする必要もありません。
効果的なショッピング機能付きコンテンツ7選
- ショッピング機能付きSNS投稿
- ショッピング機能付き画像
- ショッピング機能付き動画
- ショッピング機能付き記事・ブログ投稿
- ショッピング機能付きライブ配信
- ショッピング機能付き広告
- ショッピング機能付きギフトガイド・ルックブック
シンプルなSNS投稿から長めのブログ記事まで、さまざまなメディアを購入のきっかけに変えることができます。ここでは、クリックして購入できる代表的なコンテンツ形式を紹介します。
1. ショッピング機能付きSNS投稿
ショッピング機能付きSNS投稿を活用すると、フォロワーはフィードやおすすめページから直接商品を購入できます。そのため、購入がSNS体験の自然な一部として感じられます。各プラットフォームにはそれぞれ特徴があり、代表的な例として次の3つがあります。
- Instagramショッピングタグ:ユーザーはフィード投稿やストーリーの商品タグをタップするだけで、商品の詳細や価格をすぐに確認できます。特にファッションやライフスタイル系のコンテンツと相性がよく、視聴者は数回のタップでコーディネート一式や部屋のインテリアアイテムを購入できます。
- TikTok Shop:ライブ配信中に配信者が特定の商品を紹介すると、ショッピングカートアイコンが表示され、視聴者は配信を離れることなく商品をカートに追加できます。このリアルタイム形式は購買意欲を高めやすく、視聴者が商品について質問できる点も特徴です。
- Pinterest商品ピン:ユーザーがピンにカーソルを合わせると、現在の価格と購入ページへの直接リンクが表示されます。この機能は、ユーザーが気に入った商品を保存しておくPinterestと相性がよく、アイデアをまとめるボードをそのまま購入のきっかけに変えることができます。
魅力的なショッピング機能付きSNS投稿を作成するには、読者や視聴者の関心を引く質の高い商品が必要です。Shopifyに組み込まれた商品調達機能であるShopify Collectiveを使えば、ストアで扱う商品を調達できます。既存の商品ラインナップを補完する認証済みShopifyブランドの商品を追加して、カタログを拡充し、ショッピング機能付き投稿で紹介できる新しいコンテンツを増やせます。
ミニマルな世界観で知られる美容ブランドGlossierは、ショッピング機能をSNSコンテンツに取り入れています。Instagramのフィードでは、バースデーケーキキャンドルのギフトセットのようなショッピング機能付きの商品発表に、商品写真のカルーセルやユーザー生成コンテンツのリールを組み合わせ、ショッピング機能付きコンテンツを自然に見せています。
2. ショッピング機能付き画像
ショッピング機能付き画像は、画像をそのまま購入につながるインタラクティブな接点に変えるものです。ユーザーが興味を持った商品に触れると、商品タグやホットスポットが控えめに表示されます。
多くのファッションブランドは、日常のシーンを切り取った写真をインタラクティブなショッピング体験に変えており、モデルが身に着けているサングラスからサンダルまで、タグ付けされたアイテムをすぐに購入できるようにしています。作り込まれた雑誌風のビジュアルではなく、購入導線と利用者の声や実例を組み合わせたい場合は、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を使って、ショッピング機能付きの動画や写真を作成することもできます。
ミニマルなジュエリーブランドLinjerは、ホームページの「Linjer on You」というセクションで、ショッピング機能付きの顧客写真を目立つ形で掲載しています。同ブランドはInstagramコミュニティからこうした画像を選んで掲載しており、顧客がジュエリーを身に着けているそれぞれの写真から、紹介されている商品に直接移動して購入できるようになっています。
3. ショッピング機能付き動画
ショッピング機能付き動画を使えば、視聴者は動画で見た商品をそのまま購入できます。たとえば、商品の使い方を紹介する動画コンテンツを取り入れるマーケティング戦略は、紹介された商品を視聴者がすぐに購入できるようにすることで、より効果的になります。家電ブランドなら、在宅勤務環境の整え方を紹介する動画を公開し、出演者が最適な照明やカメラの配置を実演しながら、使用しているリングライト、ウェブカメラ、マイクを視聴者がクリックして購入できるようにするといった使い方ができます。
動画プラットフォームでも、EC機能の統合が進んでいます。たとえばYouTubeはShopifyと提携し、クリエイターが自分のストアをチャンネルにリンクできるようにしました。これにより、視聴者はプラットフォームを離れることなく商品を閲覧・購入でき、在庫情報もリアルタイムで同期されます。
4. ショッピング機能付き記事・ブログ投稿
しい記事やガイドも、ショッピング機能付きの図、イラスト、画像などを埋め込むことで、購入につながるコンテンツに変えられます。読者は、記事内で紹介されているツールや商品をそのまま購入できるため、読んだ内容をすぐに実践しやすくなります。たとえば、コーヒーブランドなら抽出のコツを紹介しながらおすすめのグラインダーにタグを付けたり、キッチン用品ブランドならフライパンや調理器具を紹介するレシピ記事を投稿したりできます。
フィットネスアパレルブランドGymsharkは、顧客が自分に合ったウェアを選べるよう、詳しい購入ガイドを公開しています。たとえば黒いレギンスのガイド(英語)では、ヨガやウェイトトレーニングなど、目的に合わせた選び方を紹介し、読者が記事から直接サイズを選んでカートに追加できるようにしています。
5. ショッピング機能付きライブ配信
大手ショッピングチャンネルのQVCは、ライブ動画で商品を実演しながら販売する手法を数十年にわたって磨いてきました。ライブショッピングは、この実績ある形式をSNSに取り入れたものです。電話で注文する時代とは異なり、今では視聴者が配信を見ながら、数回タップするだけで商品を購入できます。
TikTok ShopのようなSNSプラットフォームによって、ショッピング機能付きライブ配信は広く利用されるようになりました。配信者が商品を紹介するとショッピングカートアイコンが表示され、視聴者は配信を中断することなく商品をカートに追加できます。クリエイターはメイクの手順やキッチン用品の使い方を実演し、視聴者は質問をしながらリアルタイムで買い物できます。
多くのブランドは、ライブ配信でインフルエンサーと提携し、視聴者の関心を引き付けて売上につなげる方法を熟知したクリエイターの経験を活用しています
6. ショッピング機能付き広告
一般的なデジタル広告は、ブランドの認知度を高めたり、印象に残してもらったりすることを目的とする場合が多くあります。一方、広告にショッピング機能を組み込むと、目的は直接的なコンバージョンへと移ります。視聴者はブランドサイトを訪問するだけでなく、広告内の画像や動画から直接商品を購入できるようになります。
ショッピング機能付きコンテンツを使ったマーケティングキャンペーンを展開すれば、クリック数やインプレッション数だけでなく、どの商品が注目を集め、売上につながっているかをより正確に追跡できます。TikTok広告、Meta広告、Googleショッピング、YouTube、Pinterestなどの主要プラットフォームでは、ショッピング機能付き広告フォーマットが提供されています。
フランスの高級アクセサリーブランドTammy & Benjaminは、Facebookのショッピング機能付き広告フォーマットを使い、レザーグッズのホリデーセールを宣伝しています。これらの広告では、すっきりとした商品写真に価格や割引情報を明確に表示し、購入までのハードルを下げています。
7. ショッピング機能付きギフトガイド・ルックブック
カタログ風のコンテンツやギフトガイドは、通常の商品ページとは違った形で商品を紹介できる方法です。テーマに合わせて選んだ商品コレクションに、商品情報や購入ボタンを直接埋め込むことで、買い物客はコンテンツを見ながら商品をカートに追加できます。
たとえば、サステナブルな食器ブランドFableはホリデーギフトガイドで、買い物客を「コーヒー好き」や「カクテルにこだわる人」などの遊び心あるタイプに分けて紹介しました。各コレクションに掲載されたグラス、マグカップ、アクセサリーには商品ボタンが埋め込まれており、気になった商品をすぐに購入できるようになっています。
Shopifyストアにショッピング機能付きコンテンツを追加する方法
Shopifyストアは、商品ページやその他のページにショッピング機能付きコンテンツを追加できます。適切なツールを使えば、ブログ記事、ギャラリー、ランディングページを購入につながる接点に変えられます。ここでは、サイト全体にショッピング機能を組み込むのに役立つShopifyアプリを4つご紹介します。
1. Tagshop:複数プラットフォームのギャラリー
2. Tolstoy:ショッピング機能付き動画ギャラリー
3. ReelUp:Instagramリール連携
4. Bloggle:ブログ記事へのショッピング機能の追加
これらのアプリはShopifyアプリストアから入手できます。無料トライアルや無料プランから始めて、機能を試してみましょう。ビジネスの成長に合わせて、有料プランへのアップグレードを検討できます(月額料金は通常、Shopifyの請求書に直接追加されます)。
ショッピング機能付きコンテンツに関するよくある質問
ショッピング機能付き投稿とは何ですか?
ショッピング機能付き投稿とは、ショッピング機能が組み込まれたSNS投稿のことです。顧客はフィード、ストーリーズ、投稿内でタグ付けされた商品を直接購入できます。多くの場合、別のウェブサイトに移動せずに購入を完了できます。
ショッピング機能付きコンテンツはどのように作成しますか?
ショッピング機能付きメディアとは何ですか?
ショッピング機能付きコンテンツとショッピング機能付きメディアは、ほぼ同じ意味で使われる言葉です。どちらも、ユーザーが写真、動画、記事、その他のメディアから直接商品を購入できるデジタルコンテンツを指します。




