ECサイトで商品を探す際、検索結果0件が表示された経験がある方も多いでしょう。0件ヒットは、ユーザーの離脱や売上機会の損失につながるため、できるだけ発生を防ぐことが重要です。
この記事では、検索結果0件が発生する原因やECサイトへの影響、検索結果0件を回避する方法、検索結果0件ページの作り方を解説します。参考にしたいUIデザイン事例も紹介しているので、0件ヒットページの改善にぜひお役立てください。

検索結果0件とは
検索結果0件とは、ECサイトでユーザーが商品名やカテゴリ名などを検索した際に、条件に一致する商品やコンテンツが表示されない状態のことです。「0件ヒット」や「ゼロマッチクエリ」と呼ばれることもあります。
商品を探しているユーザーが目的の商品を見つけられないため、ユーザーの離脱や売上の機会損失につながる可能性があります。そのため、ECサイトでは検索結果0件をできるだけ減らし、発生した場合でも適切に対応できる仕組みを整えることが重要です。

検索結果0件が起こる原因
検索結果0件が発生する主な原因は、次のとおりです。
- 入力ミスや記号の使用:検索キーワードの誤字や脱字、スペースの位置、記号などが原因で、商品が検索結果に表示されないケース
- 商品名や表記の違い:検索キーワードと商品名やカテゴリ名が一致せず、商品がヒットしないケース。たとえば、「スニーカー」と検索しても、「ランニングシューズ」と登録されている商品はヒットしない
- 類義語や表記ゆれへの未対応:同じ意味の言葉や英語、日本語、カタカナなどの表記ゆれに検索機能が対応しておらず、適切な商品を表示できないケース
- 検索インデックスへの未登録:商品ページが存在していても、検索インデックスに反映されていないケース
- 販売対象外の商品:在庫切れや販売終了、非公開設定などにより、商品が検索対象になっていないケース
- 絞り込み条件の設定:カラーやサイズ、価格帯などのフィルターの条件を絞り込みすぎて、該当する商品が表示されないケース
- 閲覧制限の設定:年齢制限や地域制限、会員限定公開などの設定によって、一部の商品が検索結果に表示されないケース
- 検索システムの一時的な不具合:システム障害やデータ同期の遅延、アプリやシステムの不具合、インデックス作成エラーなどによって、一時的に検索結果0件になるケース
検索結果0件が表示された場合は、上記の原因に当てはまるものがないか確認しましょう。検索キーワードや商品の公開状態、検索ルールなどを見直すことで、原因を特定しやすくなり、早期解決につながります。

検索結果0件がECサイトに与える影響
検索結果0件は、売上やコンバージョン率の低下につながる要因の一つです。サイト内検索を利用するユーザーは購入意欲が高い傾向にあるため、欲しい商品がない場合は離脱につながります。実際に、商品が見つからなかった場合、47.9%のユーザーがほかのECサイトへ移動するというシナブルの調査結果もあります。
また、検索結果0件による影響は、その場の購買機会を失うだけではありません。商品を探しにくいサイトという印象を与えることで、再訪率やLTV(顧客生涯価値)の低下にもつながる可能性があります。
さらに、検索結果0件は、入力ミスや表記ゆれへの未対応、検索精度の低さなどによっても発生します。本来購入できる商品を見つけられない状態が続くと、広告費をかけて集客したユーザーの離脱にもつながり、ROI(投資対効果)を悪化させる要因になります。

検索結果0件を回避する方法
高性能な検索エンジンを導入する
高性能なサイト内検索を導入すると、ユーザーの検索キーワードと商品情報をより正確に照合できるため、検索結果0件の発生を減らせます。
検索エンジンを選ぶ際は、次のような機能が備わっているか確認しましょう。
- タイプミス補正:誤字や脱字、スペースの違いを自動で補正し、入力ミスによる検索結果0件を防ぎます。
- 類義語辞書:同じ意味を持つキーワードをグループ化し、「バッグ」と「かばん」のように異なる表現でも商品を検索できるようにします。
- サジェスト検索やオートコンプリート機能:検索中に商品やカテゴリ、検索キーワードの候補を表示し、目的の商品を見つけやすくします。
- セマンティック検索:キーワードの完全一致だけでなく、関連用語や商品情報、検索意図も考慮して検索結果を表示します。
- クエリ緩和やクエリ拡張:検索キーワードや検索条件を自動で調整し、関連商品を表示する機能です。
- 検索リダイレクト:特定の検索キーワードに対して、検索結果ページではなく、関連するカテゴリページや特集ページへ誘導します。
- 英語、日本語、カタカナなどの表記ゆれへの対応:「Tシャツ」と「T-shirt」、「パソコン」と「PC」のように異なる表記でも、同じ商品を検索できるようにします。
実際に、DGビジネステクノロジーが実施した調査によると、表記ゆれ対応は2023年の33%から2026年には78%へと倍以上に増加しており、高精度な検索エンジンの活用は一般化しつつあります。
商品情報とカテゴリを最適化する
検索精度を高めるには、検索機能だけでなく商品データの整備も重要です。次のポイントを確認しましょう。
- 検索対象のコンテンツを増やす:商品ページだけでなく、ブログ記事やヘルプページ、画像、動画なども検索対象に設定しましょう。関連コンテンツを表示することで、ユーザーを次の行動へ自然に誘導できます。
- 商品情報を充実させる:商品説明やタグ、類義語、関連キーワードを追加し、検索キーワードとの一致率を高めることで、ユーザーが目的の商品を見つけやすくなります。
- 商品カテゴリを適切に設定する:商品を検索されやすいカテゴリに分類しましょう。たとえば、「Tシャツ」を「トップス」と「アパレル」の両方に分類すれば、より多くの検索キーワードに対応できます。
- 定期的に類義語辞書を更新する:検索結果0件となったキーワードを定期的に分析し、新しい類義語や表記ゆれを辞書へ追加します。ユーザーの検索傾向に合わせて辞書を更新することで、検索精度を継続的に改善できます。
検索データを分析する
検索データを分析すると、ユーザーがどのようなキーワードで検索し、どのキーワードで検索結果0件になっているかを把握できます。
特に次の指標を継続的に確認しましょう。
- 検索結果0件率
- 検索結果0件となった検索キーワード
- 検索後の再検索率
- 検索後の離脱率
- 検索後のコンバージョン率
また、Google Search Console(グーグル・サーチコンソール)やGoogleキーワードプランナーなどのキーワード調査ツールを活用して検索語句を分析し、商品名や商品説明、タグへ反映することも有効です。
クエリ書き換えを活用する
クエリ書き換えを活用すると、ユーザーの検索意図に近い商品を表示しやすくなり、検索結果0件を減らせます。クエリ書き換えには、入力したキーワードをより広い概念へ変換するクエリ拡張や、検索条件を自動で緩和して関連商品を表示するクエリ緩和があります。
たとえば、「ローテーブル」を「テーブル」として検索するクエリ拡張や、「オーク材 幅90cm デスク」と検索した際に、「デスク」だけで再検索した結果を表示するクエリ緩和などが代表例です。
絞り込み機能を最適化する
絞り込み機能を最適化すると、検索結果0件を防げます。ファセットカウント(各絞り込み条件の該当商品数)を表示したり、該当商品数が0件のフィルターをあらかじめ非表示にしたりすることで、検索結果0件を未然に防げます。
テーマ別の商品ページを作成する
季節イベントや人気テーマごとの特集ページやカテゴリページの作成も効果的です。
たとえば、母の日ギフトや新生活、アウトドア用品といったテーマ別ページを作成しておけば、検索結果0件ではなく、関連する商品一覧ページへ誘導できます。
また、これらのページを内部リンクでつなぐことで、ユーザーだけでなく検索エンジンも関連ページへアクセスしやすくなり、サイト全体の回遊性向上にもつながります。

検索結果0件ページの作り方
- 検索結果0件であることをわかりやすく伝える
- 次の行動をわかりやすく案内する
- 検索キーワードや絞り込み条件を見直せるようにする
- 関連商品を表示する
- 検索ボックスを設置する
- 再販通知や入荷通知を案内する
- 問い合わせ手段を用意する
検索結果0件であることをわかりやすく伝える
検索結果が0件であることを、検索バー付近やページ上部など目につきやすい場所に表示しましょう。「該当する商品は見つかりませんでした。」のように、状況がひと目でわかる文言を記載することが大切です。
次の行動をわかりやすく案内する
検索結果0件になった理由だけでなく、ユーザーが次に何をすれば良いかも同時に案内します。
たとえば、以下のような案内を表示することで、検索を続けてもらいやすくなります。
- キーワードの入力ミスを確認する
- より広いキーワードで検索する
- 人気商品を見る
- キャンペーンや特集ページを見る
次の行動を具体的に示すことで、検索結果0件を行き止まりではなく、別の商品やカテゴリへ移動するきっかけにできます。
検索キーワードや絞り込み条件を見直せるようにする
検索結果0件ページでは、ユーザーが入力した検索キーワードや現在適用されている絞り込み条件を表示し、不要な条件を簡単に解除できるようにしましょう。たとえば、「グレー」「22cm」「在庫あり」といった条件をワンクリックで外せるようにすることで、再検索しやすくなります。
また、検索キーワードが限定的すぎる場合は、より広い検索候補を提案することも重要です。「黒 レザー 厚底 サンダル 24cm」で検索結果が0件だった場合、「厚底サンダル」「黒 サンダル」「レザーサンダル」のような候補を表示すると、目的の商品を見つけやすくなります。「もしかして◯◯ですか?」のように、入力ミスや表記ゆれを考慮した候補を表示する機能を設けることも有効です。
閲覧履歴や購入履歴などをもとに最適な検索結果を表示するパーソナライズ検索を導入することも、検索結果0件による離脱防止につながります。
Shopify(ショッピファイ)アプリのShopify Search & Discovery(サーチ&ディスカバリー)を利用することで、検索ページや商品一覧ページの絞り込み条件を設定および管理できます。また、類義語の設定や商品レコメンド、検索データの分析なども行えるため、ユーザーが目的の商品を見つけやすくなり、検索結果0件の削減や機会損失の防止に役立ちます。
関連商品を表示する
検索結果0件になった場合、検索キーワードと関連性の高い商品や、人気商品、閲覧履歴の商品、関連カテゴリなどを表示します。
たとえば、「水着」で検索して該当商品がない場合は、「ビキニ」「ラッシュガード」などの関連商品や、「ビーチウェア」のような関連カテゴリを案内することで、ユーザーを別の商品へスムーズに誘導できます。
シナブルの調査によると、検索結果0件ページに求める機能として、類似商品の提案(38.5%)や人気商品の表示(18.0%)を求めるユーザーが多くいることがわかります。そのため、関連商品や人気商品を表示することは、検索結果0件による離脱防止に効果的です。
検索ボックスを設置する
検索結果0件ページにも検索ボックスを設置し、その場ですぐに再検索できるようにしましょう。ページを移動することなく別のキーワードで検索を続けられるため、ユーザーの手間を減らし、離脱を防いで目的の商品を見つけやすくなります。
再販通知や入荷通知を案内する
在庫切れや販売前の商品が検索された場合は、再販通知や入荷通知の登録導線を設置しましょう。メルマガやLINE(ライン)で通知を受け取れるようにすることで、ユーザーとの接点を維持でき、再入荷時の購入や再訪を促せます。
問い合わせ手段を用意する
検索結果0件ページには、問い合わせフォームやメール、チャットボットなどの問い合わせ窓口を設置しましょう。商品や在庫、サイズなどについてすぐに質問できる環境を整えることは、CRO(コンバージョン率最適化)の観点からも有効です。ユーザーの疑問や不安を解消することで、検索結果0件による離脱を防ぎ、購入につながる可能性を高められます。
Shopifyでは、Shopify Inbox(インボックス)を利用すると、顧客とリアルタイムでチャット対応ができます。検索結果0件ページから気軽に問い合わせてもらえるため、疑問や不安を解消し、購入を力強く後押しできます。
検索結果0件ページの事例とUIデザイン
なないろ毛糸
なないろ毛糸の検索結果0件ページでは、入力した検索キーワードを表示するとともに、検索結果0件であることを明確に伝えています。また、検索ボックスをそのまま表示し、「つづりを確認する」「より広いキーワードで検索する」といった次の行動も案内しており、ユーザーがすぐに再検索できる設計になっています。

また、検索サジェストの段階でも、0件ヒットになる場合は人気の検索キーワードを表示し、ユーザーが別のキーワードで検索を続けられるよう工夫されています。
土屋鞄製造所
土屋鞄製造所では、検索結果0件であることをシンプルに伝えるとともに、検索ボックスをページ内に配置し、その場ですぐに再検索できるUIデザインを採用しています。また、「例:防水」のような検索例を表示することで、ユーザーが別のキーワードで再検索しやすいよう工夫されています。
VOISING ONLINE STORE
VOISING ONLINE STOREでは、検索結果0件であることを明確に伝えるとともに、検索ボックスをページ上部に配置し、その場で再検索できるようにしています。また、検索結果0件でも「おすすめ商品」を表示することで、目的の商品が見つからなかった場合でも別の商品との接点を作り、離脱を防ぐ工夫がされています。
タンスのゲン
タンスのゲンでは、検索結果0件であることに加え、検索キーワードも表示することで、どのキーワードで検索した結果なのかをわかりやすく伝えています。また、「ストア内の他商品をご覧ください」と案内し、カテゴリ一覧へ誘導することで、検索結果0件でも別の商品を探しやすい導線を設けています。
SANYO ONLINE STORE
SANYO ONLINE STOREでは、検索結果0件であることや現在の検索条件を表示するとともに、おすすめ商品を表示して別の商品への回遊を促しています。また、検索結果0件ページからもチャットボットを利用できるため、商品やサービスに関する疑問をすぐに問い合わせることが可能です。
まとめ
検索結果0件は、ユーザーの離脱やコンバージョン率の低下、売上の機会損失につながる重要な課題です。ECサイトでは、高性能な検索エンジンの導入や商品データの最適化などによって検索結果0件を減らすとともに、検索結果0件ページでは関連商品や検索キーワードの候補、問い合わせ手段などを用意し、ユーザーが次の行動を起こしやすい設計にすることが重要です。
また、検索ログを定期的に分析し、表記ゆれや検索ニーズの変化に合わせて検索ルールを調整し、改善し続けることで、検索体験の向上や売上アップにつながります。
検索結果0件に関するよくある質問
検索結果0件を完全になくすことは可能?
検索結果0件を完全になくすことは難しいですが、高性能な検索エンジンの導入や商品データの最適化、検索ログの定期的な分析を継続することで、大幅に減らすことは可能です。
検索結果0件はどのような手順で改善できる?
検索結果0件対策は次の手順で進めると効果的です。
- 検索ログを分析:検索結果0件となったキーワードを定期的に確認します。
- 原因を特定:表記ゆれや在庫切れ、商品取り扱いの有無、絞り込み条件など、原因を分類します。
- 改善施策を実施:類義語辞書の更新や商品データの見直し、代替商品の表示など、原因に応じた対策を行います。
- 効果を検証:改善後も検索ログを確認し、検索精度を継続的に改善します。
Shopifyで検索結果0件を改善できる?
ANSWShopify Search & Shopify Search & Discoveryを利用すると、検索結果や絞り込みのカスタマイズ、類義語グループの作成、商品レコメンドの設定などを行えます。検索体験を改善し、ユーザーが目的の商品を見つけやすくすることで、検索結果0件の削減や売上向上に効果的です。




