eBayのようなオークション形式のプラットフォームは、手軽に商品を販売できる点が魅力とされています。しかし、その手軽さだけに注目するのは危険です。購入は数回のクリックで完了しますが、販売となると事情は大きく異なります。
実際には、最低落札価格の設定や現実的な配送期間の提示とその遵守、さらにプラットフォームの手数料体系の理解など、対応すべき項目は多岐にわたります。中でも手数料は、販売後に手元に残る利益に直接影響するため、事前にしっかり把握しておくことが重要です。
この記事では、eBay出品者が支払う主な手数料について解説します。あわせて、複数の手数料が発生する具体的なケースを紹介し、出品コストを抑えるためのヒントもお伝えします。
Table of contents
eBayの手数料の種類
eBay出品者には、販売する商品に関係なく必ず発生する手数料と、特定の条件でのみ適用される手数料があります。ここでは、プラットフォームで主に発生する手数料を紹介します。
出品手数料
eBayで商品を出品する際には、出品手数料(Insertion Fee)が発生します。ただし、月間の出品数が250点未満であれば、この手数料は免除されます。基準を超えた場合は、オークション形式の出品1件ごとに35セント(約54円)の手数料が課されます。
なお、出品手数料は返金されません。商品が売れなかった場合でも、支払った手数料は戻らない点に注意が必要です。1か月の出品数が250点に近づいている場合は、手数料の発生を避けるためにも、出品数をこまめに確認しておきましょう。
🌟eBayでの販売方法を知りたい方は、ステップ形式のガイドをご覧ください。eBayとShopifyストアの連携方法についても解説しています。
落札手数料
商品が売れると、eBayは落札手数料(Final Value Fee)を請求します。この手数料は、販売総額に対する一定の割合に加えて、注文1件ごとに30セント(約47円)が加算されます。販売総額には、商品の販売価格に加え、配送料の一部や売上税などの関連費用も含まれます。
落札手数料の割合は、販売する商品のカテゴリーによって異なります。たとえば、ハンドバッグの場合、販売総額が2,000ドル(約310,000円)以下の部分には15%、2,000ドルを超える部分には9%が適用されます。
また、トレーディングカード(コレクター向け)の場合は、販売総額が7,500ドル(約1,162,500円)以下の部分には13.25%、7,500ドルを超える部分には2.35%の落札手数料が適用されます。
プロモーション出品手数料
プロモーション出品手数料(Promoted Listing Fee)を支払うことで、出品の露出を高めることができます。この手数料は、プロモーション出品を経由して商品が実際に売れた場合にのみ発生します。
出品者は、各商品の広告料率を設定することで、プロモーションごとの支払額を決定できます。広告料率は、商品の販売総額の2%から100%の範囲で設定可能です。
🌟eBayドロップシッピングは、多くの購入者にリーチできる低コストのビジネスモデルです。始め方については、こちらをご覧ください。
オプション出品アップグレード手数料
プロモーション出品以外にも、販売の可能性を高める方法があります。たとえば、サブタイトル(50セント〜3ドル/約78〜465円)や太字テキスト(2ドル/約310円)、リザーブ価格(最低落札価格)の設定など、さまざまなオプション機能を追加できます。
リザーブ価格の設定には手数料がかかり、5ドル(約775円)またはリザーブ価格の7.5%のいずれか高い方が適用されます(上限250ドル/約38,750円)。
国際販売手数料
登録している国以外の購入者に商品を販売する場合、eBayは国際販売手数料(International Fee)を請求します。この手数料は、落札手数料に追加される形で課されます。
手数料の割合は、出品者の登録国によって異なります。
| 出品者の登録国 | 国際販売手数料 |
|---|---|
| 日本 | 1.35% |
| 韓国 | 1.45% |
| インド | 1.70% |
| ニュージーランド | 1.00% |
| その他のアジア太平洋地域(APAC) | 1.30% |
| ヨーロッパ(EU除く) | 1.30% |
| その他の地域 | 1.55% |
不動産出品手数料
eBayでは不動産の出品も可能で、その場合は不動産出品手数料が別途発生します。手数料の金額は、不動産の種類(住宅用または商業用)や出品形式(クラシファイド広告、プライベートモーゲージノートなど)によって異なります。
なお、eBayでの不動産出品は厳しく規制されています。各国で必要とされる不動産関連の免許を保有していない出品者が、第三者の代理として不動産を販売することは法律で禁止されています。
eBayストア月額料金
eBayでは、専用のストアを開設して商品を販売することもできます。この場合、Starter、Basic、Premium、Anchor、Enterpriseのいずれかのプランに応じて、月額料金を支払う必要があります。
- Starter:月払いは月額7.95ドル(約1,230円)、年払いは月額4.95ドル(約770円)
- Basic:月払いは月額27.95ドル(約4,300円)、年払いは月額21.95ドル(約3,400円)
- Premium:月払いは月額74.95ドル(約11,600円)、年払いは月額59.95ドル(約9,300円)
- Anchor:月払いは月額349.95ドル(約54,250円)、年払いは月額299.95ドル(約46,500円)
- Enterprise:月額2,999.95ドル(約465,000円、年払いのみ)
eBayストアを開設するメリットとして、落札手数料の割引が適用されるほか、通常の無料出品枠(毎月250点)を超える出品枠が追加で提供される点が挙げられます。
販売事例とeBay手数料
仮想的なeBayでの販売シナリオをもとに、手数料がどのように積み重なるのかを見ていきましょう。
事例1:ハンドバッグの販売
ジュリーは、eBayでヴィンテージのルイ・ヴィトンのモノグラムハンドバッグを575ドル(約89,125円)で販売しました。これは当月251件目の出品にあたるため、出品手数料として35セント(約54円)が発生します。
落札手数料は販売総額の15%で計算されます。この販売総額には、配送料20ドル(約3,100円)と消費税10%(57.50ドル/約8,910円)も含まれます。そのため、販売総額は652.50ドル(約101,140円)となり、落札手数料は97.88ドル(約15,170円)です。
出品手数料を含めると、ジュリーがこの取引で支払う手数料の合計は98.23ドル(約15,230円)となります。
事例2:プロモーション出品でiPhoneを販売
マークは、eBayで古いiPhone Xを145.00ドル(約22,480円)で販売しました。プロモーション出品に加え、太字テキスト(2ドル/約310円)や拡張画像ギャラリー(35セント/約54円)などのオプション機能も利用しています。
マークは、販売総額の6%にあたる9.74ドル(約1,510円)をプロモーション出品の広告料として設定しました。今回は初めての出品のため、出品手数料は免除されています。
配送料は10ドル(約1,550円)、消費税は商品価格の5%にあたる7.25ドル(約1,120円)です。これらを含めた販売総額は162.25ドル(約25,150円)となります。
携帯電話カテゴリーの落札手数料は、販売総額2,500ドル(約387,500円)までの部分に対して9%が適用されます。このため、今回の落札手数料は14.61ドル(約2,270円)です。
すべてを合計すると、マークが支払う手数料の総額は26.70ドル(約4,140円)となります。
事例3:海外の購入者に書籍を販売
ステファニーは、スティーブン・キングの『IT』の初版本をeBayで韓国の購入者に70ドル(約10,850円)で販売しました。これは当月280件目の出品にあたるため、出品手数料として35セント(約54円)が発生します。
ソウルへの国際配送料は25ドル(約3,880円)、消費税は10%にあたる7ドル(約1,085円)です。これらを含めた販売総額は102ドル(約15,810円)となります。
書籍およびその他の印刷物の落札手数料は、販売総額7,500ドル(約1,162,500円)までの部分に対して14.95%、それを超える部分には2.35%が適用されます。このため、今回の落札手数料は15.25ドル(約2,360
円)です。
また、ステファニーは米国を拠点としているため、販売総額の1.55%にあたる国際販売手数料1.59ドル(約246円)が加算されます。これらを合計すると、ステファニーが支払う手数料の総額は17.19ドル(約2,660円)となります。
eBay出品手数料を削減する方法
販売手数料を抑えることで、最終的な利益を増やすことができます。ここでは、eBayの出品手数料を抑えるためのポイントを紹介します。
- シンプルに保つ。出品プロモーションやオプション機能に過度に頼らず、分かりやすいタイトルと魅力的な商品説明でアピールすることで、余計な手数料を抑えられます。摩耗や傷、素材の種類など、購入者が気にするポイントをあらかじめ説明しておくことが重要です。
- 出品数を抑える。月間の出品数を250点未満に抑えることで、出品手数料を回避できます。
- eBayストアを開設する。eBayストアの開設には月額料金がかかりますが、落札手数料の割引が適用されるほか、通常の無料出品枠(毎月250点)を超える出品枠が提供されます。出品数が多い場合は、結果的にコスト削減につながる可能性があります。
- 送料無料を提供する。送料無料にすることで購入者の関心を高め、販売機会の拡大が期待できます。また、送料を商品価格に含めることで、表示上の販売総額や落札手数料を抑えられる場合もあります。ただし、配送コストは自己負担となるため、利益とのバランスを考慮することが大切です。
eBayの手数料に関するよくある質問
「今すぐ購入」販売でeBayの手数料はいくらかかりますか?
eBayでは、固定価格出品(「今すぐ購入」販売)に対して、返金不可の5セント(約8円)の手数料が発生します。
商品が売れなかった場合でも手数料はかかりますか?
出品数によって異なります。eBayでは、月間250点までの出品は無料です。1か月で250点を超えると、その基準を超えたすべての出品に対して出品手数料が発生します。なお、出品手数料は返金されないため、商品が売れなかった場合でも戻りません。
eBayで手数料を回避する方法はありますか?
eBayで完全に手数料をゼロにすることはできません。ただし、eBayストアを利用したり、送料無料を設定したりすることで、手数料を抑えることは可能です。





