オンラインでの商品検索、比較検討、そして購入は、今や多くの消費者にとって当たり前となっています。令和6年度の経済産業省の調査によると、2024年の日本国内のB2C EC市場の規模は26.1兆円に拡大し、EC化率も増加しています。
こうした環境では、ECサイトを通じてどのような体験を提供できるかが、EC事業者にとってますます重要になっています。顧客は、商品を探す、比較する、購入する、問い合わせる、商品を受け取るといった一連の流れのなかで、ブランドの使いやすさや信頼性を判断しています。デジタルCX(デジタル顧客体験)とは、こうしたデジタル上の接点で顧客が体験するプロセス全体を指します。必要な情報がすぐに見つかり、安心して購入できる体験を整えることは、顧客満足度の向上やリピート購入にもつながります。
この記事では、EC事業者に向けて、デジタルCXの意味や重要性、デジタル上の顧客体験を構成する主な段階、改善方法および効果測定のポイントについて解説します。

デジタルCXとは
デジタルCXとは、顧客がECサイト、アプリ、SNS、広告、メールなどのデジタルチャネルを通じて、ブランドと接する際に得る体験のことです。たとえば、ECサイトで商品を探す、スマートフォンで商品ページを見る、チャットで問い合わせる、SNS投稿から商品を知る、購入後に配送通知を確認するといった行動が挙げられます。
デジタルCXとCXの違い
CX(Customer Experience:カスタマーエクスペリエンス)は、顧客がブランドと接するなかで得る体験全体を指しますが、デジタルCXは、ECサイトやアプリ、メール、チャット、LINE、広告、会員ページなど、画面を通じた接点に焦点を当てます。
ただし、デジタルCXは、顧客が目にする画面上の使いやすさだけで決まるものではありません。顧客情報や購入履歴、メール配信、問い合わせ対応、決済、配送連携など、裏側の仕組みも顧客体験に影響します。たとえば、顧客情報や購入履歴が適切に連携されていれば、顧客に合った商品提案や問い合わせ対応がしやすくなり、結果としてデジタルCXの向上につながります。

デジタルCXが重要な理由
オンラインでの体験がブランドの印象そのものになる
オンラインで買い物を完結させる顧客にとって、デジタル上の体験はブランドの印象そのものになります。実店舗に足を運ばず、商品を手に取る前に購入を決める場合、商品ページ、写真、レビュー、決済画面、問い合わせ対応、配送案内などの接点が、ブランドへの信頼感を左右します。
商品が探しにくい、情報が足りない、購入手続きが複雑、問い合わせ先がわかりにくいなどの不便があると、顧客は購入をためらいがちです。反対に、必要な情報が整理され、購入まで迷わず進める体験が整っていれば、ブランドへの信頼や購入意欲につながります。
モバイルでの使いやすさが購入率に直結する
スマートフォンで使いにくいECサイトは、購入前の離脱につながります。令和6年度の経済産業省の調査によると、2024年の物販分野におけるスマートフォン経由のB2C EC市場規模は9兆3,904億円で、物販B2C EC市場の61.7%を占めています。スマートフォンから商品を探したり購入したりする行動が一般的になるなか、モバイル画面での体験は購入率に大きく関わります。
スマートフォンでは、商品写真、商品説明、カートボタン、送料や返品条件などが見づらいと、購入前の離脱につながります。ページの表示が遅い、入力項目が多い、ボタンが押しにくい、決済画面で迷うといった不便も、顧客が購入を断念する理由になります。
信頼できるデジタル接点がリピート購入につながる
リピート購入につなげるには、購入前後のデジタル接点で信頼できる体験を提供することが重要です。顧客は、商品を探すときだけでなく、注文確認メール、配送通知、返品や交換の案内、購入後のフォローなども含めてブランドを評価します。
注文後に配送状況を確認できる、返品条件がわかりやすい、メールやLINEで必要な案内が届くといった体験は、顧客の安心感につながります。反対に、購入後の連絡が不足していたり、手続きがわかりにくかったりすると、次回購入を躊躇する理由になります。
問題解決の速さと質が継続利用に影響する
購入前後の疑問や不安を、オンラインですばやく解決できるかどうかは、顧客満足度や継続利用に影響します。ECサイトでは、配送状況、返品や交換、決済、商品仕様など、さまざまな場面で顧客の疑問や不安が生まれます。
問い合わせ先が見つけにくい、回答までに時間がかかる、同じ説明を何度も求められるといった体験は、顧客に負担をかけます。反対に、必要な情報にすぐアクセスでき、チャットやメールで適切なサポートを受けられれば、購入前後の不安を減らし、顧客が安心して利用を続けやすくなります。

デジタルカスタマージャーニーの4段階
顧客がECサイトやアプリでブランドと出会い、商品を比較し、購入し、購入後も関係を続けていく流れは、デジタルカスタマージャーニーと呼ばれます。ここでは、「認知と発見」「比較と検討」「購入とチェックアウト」「購入後のフォロー」の4段階に分けて、それぞれの段階で押さえておきたいポイントを解説します。
1. 認知と発見
認知と発見は、顧客が商品やブランドを初めて知る段階です。この段階では、ブランドを見つけやすくし、初めて訪れた顧客が「何を販売しているのか」「誰に向けたブランドなのか」をすぐに理解できるようにすることが重要です。検索エンジン、SNS、広告、メール、口コミ、メディア記事など、顧客がブランドを見つける接点は幅広いため、それぞれの接点からECサイトや商品ページへ自然に進める導線を整えます。
この段階での具体的な取り組みは次のとおりです。
- トップページやランディングページを見直す:初めて訪れた顧客が、短時間で「何を販売しているのか」「誰に向けたブランドなのか」を理解できるか確認します。伝わりにくい場合は、見出しや画像、CTA(コールトゥアクション)を整理し、情報をシンプルにします。
- サイトナビゲーションをわかりやすくする:検索バーを見つけやすい場所に置き、カテゴリを明確に整理します。メニューやリンクを詰め込みすぎず、顧客が目的の商品へ迷わず進める構成にします。
- モバイルでの閲覧を最適化する:表示速度、ボタンの押しやすさ、文字のサイズなどを確認し、スマートフォンでも商品を探しやすく、内容を理解しやすい状態にします。
- 顧客の目的に合わせた導線を作る:「ギフトを探す」「初めての方におすすめ」「肌悩みから選ぶ」など、顧客の探し方に合わせた入口を用意します。
- SEOを意識して商品情報を整える:商品名、価格、在庫、画像、商品説明などの情報をECサイト上で正しく設定し、検索結果やSNS、AI検索などで見つかりやすい状態にします。
2. 比較と検討
比較と検討は、顧客が商品を詳しく調べ、購入するかどうかを判断する段階です。この段階では、購入前の不安を減らし、顧客が納得して判断できる情報を用意することが重要です。令和5年度の消費者庁の調査では、「インターネット上の口コミや評価が高い商品を選ぶ」を選んだ人の割合は70.1%となっており、購入前の比較検討においてレビューや評価が重要な役割を果たしていることがわかります。
この段階での具体的な取り組みは次のとおりです。
- 商品ページの情報を整理する:写真、動画、使用シーン、FAQ、レビューなどを掲載し、判断に必要な情報を見つけやすくします。
- 商品カテゴリごとに必要な情報を用意する:アパレルは着用イメージやサイズ感、食品は原材料やアレルギー情報、コスメは成分や使用感など、商材ごとに顧客が知りたい情報を整理します。
- 顧客の行動に合わせて商品を提案する:閲覧履歴、カート内の商品、過去の購入履歴などに合わせて、関連商品やおすすめ商品を表示します。
- 顧客の状況に合わせて提案内容を変える:初回訪問者、リピーター、会員、定期購入者など、顧客の状況に応じて表示する商品や案内を調整します。
- おすすめ商品の表示場所を工夫する:商品詳細ページでは「こちらもおすすめ」、カートでは「一緒に購入されている商品」など、顧客の検討段階に合った提案を表示します。
- レビューやUGCを表示する:購入者の写真、動画レビュー、星評価、使用感のコメントなどを掲載し、実際の利用イメージが伝わるようにします。
- レビューを絞り込めるようにする:サイズ、用途、購入者属性などでレビューを探せるようにし、顧客が自分に近い利用者の声を参考にできるようにします。
- カートやチェックアウトにも安心材料を入れる:「高評価」「ベストセラー」「多くの人が購入」などの情報を、購入の後押しになるよう表示します。
3. 購入とチェックアウト
購入とチェックアウトは、顧客が商品をカートに入れ、決済を完了する段階です。この段階では、購入直前の手間や不安を減らし、最後までスムーズに進めることが重要です。株式会社イー・エージェンシーの2025年の調査によると、月商500万円以上のECサイト4,374件における平均カゴ落ち率は62.9%でした。カートに商品を入れた後でも、手続きが長い、入力が面倒、送料や到着予定日がわかりにくいといった理由で、顧客が離脱するケースが多いことがわかります。
この段階での具体的な取り組みは次のとおりです。
- ゲスト購入に対応する:初回購入の顧客に、購入前の会員登録を強制しないようにします。
- 入力項目を最小限にする:購入に必要な情報だけを入力してもらい、住所の自動入力や入力補助を活用します。
- チェックアウトの流れを短くする:カートから注文完了までのクリック数や画面遷移を減らします。
- 決済方法を充実させる:クレジットカード、Shop Pay、Apple Pay、Google Pay、PayPay、楽天ペイ、コンビニ決済、後払い決済サービスなど、顧客に合った決済方法を用意します。
- カートやチェックアウト画面を軽くする:画像やアニメーションを詰め込まず、スマートフォンでも速く表示されるようにします。
- 送料や到着予定日を早めに表示する:購入直前に追加費用や配送条件が判明する状況を避け、安心して進めるようにします。
- 購入直前の疑問にすばやく答える:サイズ、配送予定日、クーポン、返品条件などを確認できるFAQやチャットを設置します。質問内容やチャット経由の購入率を確認し、顧客がつまずきやすい点を改善します。
4. 購入後のフォロー
購入後のフォローは、商品を購入した後の体験を通じて、ブランドへの信頼や再購入意欲を高める段階です。デジタルCXは、チェックアウトが完了した時点で終わるわけではありません。購入後の案内やフォローを整えることで、初回購入を長期的な関係につなげることができます。
この段階での具体的な取り組みは次のとおりです。
- 注文確認メールをすぐに送る:購入商品、配送先、問い合わせ先、到着予定日をわかりやすく伝えます。
- 顧客が配送状況を確認できるようにする:配送通知や追跡ページを用意し、顧客が注文状況を確認できるようにします。
- ブランドらしい追跡ページを用意する:配送会社のページに移動させるだけでなく、自社サイト上で注文状況やサポート情報を確認できるようにします。
- メールやLINEで配送状況を知らせる:注文受付、発送、配送中、到着予定など、顧客が知りたいタイミングで案内を届けます。
- 配送の遅れを先に知らせる:遅延や変更がある場合は、顧客から問い合わせが届く前に連絡します。
- 商品到着後にフィードバックを集める:配送完了後数日以内に、レビュー投稿や簡単なアンケートを依頼します。
- NPS(ネットプロモータースコア)や満足度を確認する:「このブランドをすすめたいと思うか」「購入体験に満足したか」などを確認し、顧客の反応を把握します。
- フィードバックを分類する:商品、配送方法、購入チャネル、問い合わせ内容などに分けて、改善すべき傾向を見つけます。
- 顧客の声を改善に活かす:レビューへの返信、FAQの更新、商品ページの改善などを行い、顧客の声を反映していることが伝わるようにします。
- 再購入や関連商品の提案をする:消耗品は再購入のタイミング、アパレルはコーディネート提案、食品はレシピや保存方法など、商品に合わせてフォローします。
- ロイヤルティプログラムにつなげる:ポイントプログラムなどを通じて、購入後も顧客との関係を継続します。

デジタルCX戦略の作り方
1. カスタマージャーニーを整理する
まず、顧客がどのような流れでブランドと接し、購入や再購入に至るのかというカスタマージャーニーを整理します。検索、SNS、広告、メール、LINE、ECサイト、商品ページ、カート、チェックアウト、注文確認メール、配送通知、問い合わせ、レビュー依頼など、購入前から購入後までの接点を書き出します。
接点を整理すると、顧客がどこで迷っているのか、どの情報が不足しているのか、どこで離脱が起きているのかを確認できます。たとえば、SNS投稿から商品ページへの導線がわかりにくい、商品ページに返品条件が書かれていない、購入後の配送通知が不足しているといった課題が浮かび上がることがあります。
2. 顧客の声を集める
次に、顧客が実際にどのような不便や不安を感じているのかを把握します。レビュー、問い合わせ内容、チャット履歴、返品理由、アンケート、SNSでのレビュー、カスタマーサポートへの相談内容などは、デジタルCXを改善するための重要な情報源です。こうした顧客の声はカスタマーボイスとも呼ばれ、商品ページや購入後フォロー、カスタマーケアの改善に役立ちます。
たとえば、「サイズがわかりにくい」という問い合わせが多い場合は、商品ページにサイズ表や着用イメージを追加することで不安を減らせます。「配送予定日がわからない」という声が多ければ、カートや注文確認メールで配送情報をよりわかりやすく示す必要があります。顧客の声をもとに改善点を見つけることで、事業者だけでは気づきにくい課題にも対応できます。
3. 顧客に合わせた体験を作る
顧客に合わせた体験を提供することも、デジタルCX戦略の重要な要素です。閲覧履歴、購入履歴、カート内の商品、顧客セグメントなどをもとに、商品提案、メール配信、クーポン、購入後のフォローを最適化します。
たとえば、初回訪問者にはブランドの特徴や人気商品を見せ、リピーターには過去の購入履歴に合う関連商品を提案できます。定期購入者には次回配送の案内を送り、しばらく購入がない顧客には再購入を促すメールやLINEを送ることもできます。すべての顧客に同じ情報を届けるのではなく、顧客の状況に合った情報を出すことで、購入前後の体験をよりスムーズにできます。
4. 購入までの摩擦を減らす
デジタルCXでは、顧客が感じる小さな不便を減らすことが重要です。商品が探しにくい、ページの表示が遅い、情報が足りない、決済方法が少ない、問い合わせ先がわかりにくいといった摩擦は、離脱や不満につながります。
摩擦を減らすには、顧客が迷いやすいポイントを一つずつ見直します。商品検索、商品ページ、カート、チェックアウト、配送通知、返品や交換の案内など、それぞれの接点で「顧客が次に何をしたいか」「そのために必要な情報があるか」を確認します。特にスマートフォンでは、表示速度、文字の読みやすさ、ボタンの押しやすさ、入力のしやすさを確認することが重要です。
5. 継続的にテストして改善する
デジタルCX戦略は、一度作って終わりではありません。顧客の行動、利用するデバイス、決済方法、SNSの使われ方、配送や問い合わせへの期待は変化します。そのため、施策を小さく試しながら、データを見て改善を続けることが重要です。
たとえば、商品ページの構成を変える、FAQを追加する、決済方法を増やす、配送予定日をわかりやすく表示する、レビューの見せ方を変えるなど、施策ごとに成果を確認します。A/Bテスト、ヒートマップ、アクセス解析、アンケートなどを活用すれば、どの改善が顧客行動に影響したのかを把握できます。改善を積み重ねることで、顧客にとって使いやすく、事業者にとって成果につながるデジタルCXを構築することができます。

デジタルCX改善に役立つツール
アクセス解析と行動分析ツール
顧客がどのページを見ているのか、どこで離脱しているのか、どの導線が購入につながっているのかを把握するには、アクセス解析や行動分析ツールが役立ちます。
たとえば、次のツールが活用できます。
- Shopifyのレポートやストア分析:売上、コンバージョン率、平均注文額、リピート購入率などをShopify管理画面で確認できます。
- Google Analytics 4(GA4):流入経路、ページ閲覧、購入イベントなどを分析し、広告やコンテンツ施策の効果を確認できます。
- Microsoft Clarity(マイクロソフト クラリティ):ヒートマップなどを使って、顧客がページ上でどこをクリックし、どこでつまずいているのかを把握できます。
顧客の声を集めるツール
データだけではわからない不安や不満を把握するには、顧客の声を集める仕組みも必要です。レビュー、アンケート、問い合わせ内容などを確認することで、商品ページや購入後フォローの改善点が見つかります。
たとえば、次のツールが活用できます。
- Shopify Forms:メール登録や簡単なアンケート、リード獲得に使えるフォーム作成機能です。
- Yotpo(ヨットポ):レビューやUGC(ユーザー生成コンテンツ)を、広告やロイヤルティ施策にも活用したい場合に適しています。
- Googleフォーム:購入後アンケートや満足度調査を手軽に実施できます。
- formrun(フォームラン):問い合わせフォームやアンケートフォームを作成し、回答管理まで行えます。
接客と問い合わせ対応ツール
購入前後の疑問にすばやく対応できると、顧客の不安を減らし、購入や継続利用につなげやすくなります。問い合わせ対応では、チャット、メール、FAQ、LINEなどを組み合わせると効果的です。
たとえば、次のツールが活用できます。
- Shopify Inbox:オンラインストア上でチャットを提供し、商品リンクやディスカウントコードを送信できるビジネスチャットアプリです。
- チャネルトーク:チャット、メール、SNS、電話などの問い合わせを一元管理でき、Shopifyの顧客情報と連携した接客にも活用できます。
- Zendesk:メール、チャット、FAQ、ヘルプセンターなどをまとめて管理し、問い合わせ対応の品質を高めるために役立ちます。
- LINE公式アカウント:日本の顧客とのコミュニケーションで使いやすく、問い合わせ対応や購入後フォローにも活用できます。
パーソナライズとCRMツール
顧客に合わせた商品提案やメッセージ配信を行うには、顧客データを活用できるCRMやマーケティングツールが役立ちます。閲覧履歴、購入履歴、会員情報、LINE連携などをもとに、顧客ごとに適した体験を提供できます。
たとえば、次のツールが活用できます。
- Shopifyの顧客セグメンテーションツール:購入回数、購入金額、地域、メール購読状況などをもとに、顧客を分類できる顧客セグメンテーションツールです。
- Shopify Flow:注文、顧客、在庫、タグなどを条件に、メール配信や社内通知、顧客管理などのワークフローを自動化できます。
- Klaviyo(クラビヨ):購入履歴や顧客行動に基づいて、メールやSMSのマーケティング配信を自動化できます。
- CRM PLUS on LINE:Shopifyの顧客データを活用し、LINEでセグメント配信、発送通知、再入荷通知、カゴ落ちからのリカバリーなどを行えます。
- KARTE(カルテ):サイト上の行動データをもとに、顧客ごとの接客やメッセージ配信を行えます。
購入後フォローと自動化ツール
購入後の案内やフォローを自動化すると、注文後の不安を減らし、再購入やロイヤルティ向上につなげやすくなります。
たとえば、次のツールが活用できます。
- Shopifyの注文通知:注文確認、発送通知、配送状況などを顧客に自動で送信できます。
- Shopify Flow:初回購入後のフォロー、VIP顧客へのタグ付け、レビュー依頼、社内通知などを自動化できます。
- Shopify Messaging:顧客セグメントに合わせて、メールやSMSで商品情報、特典、購入後の案内などを配信できます。
- CRM PLUS on LINE:LINEで発送通知やステップ配信を行い、購入後の接触機会を増やせます。
- easyPoints(イージーポインツ):ポイント付与や会員ランクなどを設定し、リピート購入やロイヤルティ向上に活用できます。

デジタルCXの効果測定
デジタルCXの改善では、売上だけでなく、顧客がどの段階で迷い、どこで離脱し、購入後にどのような反応をしているかを確認することが重要です。指標をカスタマージャーニーごとに整理すると、改善すべき接点が把握しやすくなります。
1. 認知と発見の段階における指標
認知と発見の段階では、顧客がどこからブランドを見つけ、ECサイトやアプリに訪れているかを確認します。主な指標には、次があります。
- 流入数
- 広告クリック率
- 検索経由の訪問数
- SNSからの流入数
- 新規訪問者数
- ページ表示速度
2. 比較と検討の段階における指標
比較と検討の段階では、顧客が商品情報を確認し、購入を検討できているかを見ます。商品ページの内容やレビュー、関連商品の表示が、購入の意思決定を助けているかを確認します。主な指標には、次があります。
- 商品ページの閲覧数
- 商品ページの滞在時間
- カート追加率
- レビュー閲覧数
- 関連商品のクリック率
- お気に入り登録数
3. 購入とチェックアウトの段階における指標
購入とチェックアウトの段階では、顧客がカートに入れた商品を最後まで購入できているかを確認します。チェックアウト画面での離脱や決済エラーが多い場合は、入力項目、決済方法、送料表示などを改善します。主な指標には、次があります。
- コンバージョン率
- 購入完了率
- カゴ落ち率
- チェックアウト離脱率
- 決済エラー率
- 平均注文額
4. 購入後のフォローの段階における指標
購入後の段階では、顧客が購入後の案内に満足しているか、再購入につながっているかを確認します。注文確認、配送通知、レビュー依頼、問い合わせ対応などが、購入後の安心感やブランドへの信頼に影響します。主な指標には、次があります。
- リピート購入率
- 顧客生涯価値
- レビュー投稿率
- NPS
- CSAT(顧客満足度スコア)
- 問い合わせ解決率
- 初回応答時間
- 解決までの時間
まとめ
デジタルCXは、顧客がECサイトやアプリ、SNS、メール、チャットなどのデジタル接点で得る体験全体を指します。商品の検索、比較検討、購入から購入後の案内を受け取るまでの流れがスムーズであれば、顧客の安心感やブランドへの信頼につながります。
改善に取り組む際は、カスタマージャーニーを整理し、顧客がどこで迷い、どこで離脱しているのかを把握することが大切です。適切なツールを活用して、商品ページ、チェックアウト、配送通知、問い合わせ対応などを継続的に見直しましょう。顧客にとって使いやすく、安心して購入できる体験を整えることで、購入率やリピート購入、顧客ロイヤルティの向上につなげることができます。
デジタルCXに関するよくある質問
デジタルCXとCXの違いとは?
CXは、店舗での接客や電話対応、商品そのものの使い心地なども含む顧客体験全体を指します。一方、デジタルCXは、ECサイト、アプリ、メール、チャット、LINE、広告など、デジタル上の接点で得られる顧客体験を指します。
CXとCSの違いとは?
CX(カスタマーエクスペリエンス)は、顧客がブランドと接する体験全体を指します。ECでは、商品を見つける、比較する、購入する、問い合わせる、購入後の案内を受け取るまでの流れが含まれます。一方、CS(カスタマーサポート)は、問い合わせやトラブルに対応し、顧客の問題を解決する役割です。CSで得た顧客の声は、CX改善にも役立てることができます。
デジタルCXの改善効果はどう測定できる?
デジタルCXの改善効果は、デジタルカスタマージャーニーの段階ごとに指標を分けて確認します。認知と発見では流入数や広告クリック率、比較と検討ではカート追加率やレビュー閲覧数、購入とチェックアウトではコンバージョン率やカゴ落ち率、購入後のフォローではリピート購入率や問い合わせ解決率などを把握するとよいでしょう。




