EC事業において、コンバージョン率の改善は売上に直結する重要な要素の一つです。ECのコンバージョン率改善には、デザインの美しさや操作性にこだわるだけでなく、読み込み速度改善や決済手続きの円滑化など、購入時のストレスを最小限に抑える構造的な最適化を行う必要があります。コンバージョン率改善に着手するにあたり、最初に取り組むべきなのは、自社サイトの立ち位置を正確に知ることです。その評価基準となる指標が、業界平均のコンバージョン率です。
この記事では、業界別ECのコンバージョン率の平均を紹介します。CRO(コンバージョン率最適化)のヒントとなる統計情報や消費者動向についても触れていますので、販売戦略の立案や売上向上に役立ててください。

業界別コンバージョン率の平均と改善方法
ウェブサイトのコンバージョン率の平均は、業界により大きく異なります。Statistaの2026年の調査(英語)によると、業界別コンバージョン率の平均は以下の通りです。
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業界 |
コンバージョン率の平均 |
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食品・飲料 |
2.3% |
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スキンケア |
2.4% |
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玩具・知育 |
1.4% |
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アパレル(一般) |
1.5% |
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アパレル(スポーツ) |
1.4% |
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靴(一般) |
1.7% |
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靴(スポーツ) |
1.5% |
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健康・美容 |
1.8% |
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電子機器・関連商品 |
1.3% |
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美容・メイク |
1.3% |
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ホーム・ダイニング・アート・インテリア |
1.2% |
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スポーツ用品 |
1.1% |
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バッグ・スーツケース |
0.8% |
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家電 |
0.7% |
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家具 |
0.7% |
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高級アパレル・アクセサリー |
0.3% |
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全業界 |
1.4% |
各業界のコンバージョン率の平均は、業界の特徴や購入プロセス、購入頻度などにより異なる傾向にあります。アパレルや食品・飲料、スキンケアなど日常生活で必要となる商品は、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。定期的な買い替えや補充が必要となるだけでなく、価格も比較的安価であることから購入ハードルが低いことも要因の一つと言えるでしょう。一方で、家電・家具や高級アパレル・アクセサリーでは、商品単価が高く、ウィンドウショッピング目的でのサイト訪問が増えます。高価格帯であることから意思決定にも時間がかかるため、コンバージョン率は低い値を示しています。
自社のコンバージョン率と業界の平均を比較するパフォーマンスベンチマーキングを行い、改善点を洗い出すことで業務改善に役立てることができます。

ECサイトのコンバージョン率の平均と改善方法
SKAI LAMAの2026年の調査(英語)によると、日本国内のECサイトにおける平均コンバージョン率は、約3〜3.8%と報告されています。世界的には約1.8〜3%であると同調査で言及されており、日本のECサイトのコンバージョン率は比較的高いことがわかります。その背景に、日本市場ではブランディングによる顧客の信頼獲得と、顧客による購入前の情報収集の影響があり、サイトを訪問する時点で購買意欲が高いことが窺えます。
ECサイトのコンバージョン率改善には、以下の手法が効果的です。
- 属性に合わせたパーソナライゼーション:顧客の興味関心や行動履歴をもとに、表示する内容をパーソナライズすることで、効率よく購買意欲を高めることが可能です。近年は、AIツールを活用したパーソナライズの導入も増えています。
- サイトスピードの改善:Deloitteの調査(英語)では、モバイルサイトの表示速度をわずか0.1秒改善するだけで、コンバージョン率の向上が見込めることが報告されています。小売サイトにおいては8%、旅行サイトでは10%ものコンバージョン率アップが報告されています。
- サイト構造の簡易化:コンバージョンまでの導線をシンプルにし、入力フォームの最適化(EFO)を行うことで、顧客の離脱を防ぎ、コンバージョン率改善が見込めます。
- 高速チェックアウトの導入:Shop Pay(ショップペイ)やGoogle Pay(グーグルペイ)といった高速チェックアウトの導入は、決済プロセス簡易化により顧客の利便性向上とコンバージョン率アップにつながります。Shop Payはゲスト購入と比較すると、コンバージョン率を最大で50%(英語)引き上げる効果が得られます。

ランディングページのコンバージョン率の平均と改善方法
ランディングページのコンバージョン率の平均は、一般に約2〜3%とされています。ランディングページ(LP)は、顧客が最初に辿り着くページで、特定の行動を促すために作られています。そのため、顧客が円滑に行動を起こせるよう、メインビジュアルやCTA(行動喚起ボタン)や価値提案(バリュープロポジション)といった要素が組み込まれます。
ランディングページのコンバージョン率は、設定するコンバージョンにより大きく異なります。例えば、メルマガへの登録やホワイトペーパーのダウンロード、無料体験をコンバージョンとする場合はコンバージョン率が高くなる傾向にあります。一方で、商品の購入やサブスク登録の場合は、比較的コンバージョンのハードルが高いことから、コンバージョン率が低くなることが考えられます。また、「トレンチコート コーデ」というキーワードでページを訪問した顧客にとって、「割引クーポン入手のためのメルマガ登録」はコンバージョンにつながりやすいものの、「高級コートの購入」は情報収集目的の訪問者のコンバージョンにはつながりにくいでしょう。
ランディングページのコンバージョン率アップには、以下の施策が有効です。
- A/Bテスト:メインビジュアルやCTA(コールトゥアクション)のテキストや色、ページ構成などを、A/Bテストで検証します。離脱につながる要素を特定し改善策を講じることで、ランディングページのコンバージョン率を最大で30%(英語)向上させる効果が見込めます。
- 広告の見出しの改善:広告の見出し改善はコンバージョン率アップに効果的です。短くわかりやすいフレーズを心がけるだけでなく、数字を入れる、インパクトのあるものを採用する、必要に応じてリードコピーを見直すといった方法があります。
- リード獲得をコンバージョンに設定する:メルマガ登録やホワイトペーパー配布による見込み客の情報入手をコンバージョンに設定することで、商品販売よりも高いコンバージョン率獲得が目指せます。入手した情報をもとにメールマーケティングを行えば、売上にもつながるでしょう。

モバイル端末からのコンバージョン率の平均と改善方法
Tidioの2023年の統計(英語)によると、モバイル端末からのオンラインショッピングにおけるコンバージョン率は約2%です。
さらに、2026年のContentsquareの記事によると、トラフィックはモバイル端末からのものがデスクトップよりも多く、全体の69.9%を占めているものの、コンバージョン率はデスクトップの方が74%高いと報告されています。スマホやタブレットからのアクセスが多いものの、最終的な決断を下す際にはデスクトップ端末を利用する顧客が多いことを表した結果と言えるでしょう。
一方で、経済産業省によると、日本国内のスマホ経由のオンラインショッピング利用は年々拡大しており、2024年のBtoC EC分野におけるスマホ経由物販は61.7%に上ります。また、マーケティングファネルの初期段階では、スマホやタブレットからの情報収集を行う消費者も多く、将来的に売上へつなげるためにも、モバイル端末での体験を向上させることが重要です。
モバイル端末からのコンバージョン率が低い場合、以下の施策を実践してみましょう。
- ECモバイル最適化:スマホやタブレットからの快適な閲覧と円滑な商品購入手続きを実現するために、レスポンシブデザインの採用やチェックアウト最適化といった手法が効果的です。ECサイトは商品画像やビジュアルが多くなる傾向にあるため、不要なリソースの読み込みを遅らせるLazy loading(遅延読み込み)を使って、サイトの表示速度最適化を行いましょう。
- ブランドロイヤルティ向上:モバイル端末からのショッピング体験は、コンバージョン率だけでなく、顧客からのブランド全体への評価にも影響を与えます。モバイルサイトでの快適な顧客体験(CX)を実現し、ブランドロイヤルティ向上ができれば、将来的な売上にもつながります。
- カゴ落ち対策:モバイル端末からのショッピングでは、カゴ落ち率が高くなる傾向にあり、カゴ落ちによるコンバージョン率低下を防ぐ施策が重要です。ワンクリック決済や入力フォームの簡易化、送料無料、わかりやすい場所への返品ポリシーの掲載などの、カゴ落ちを減らすための対策を検討しましょう。
まとめ
eコマースサイトの場合、検索広告のコンバージョン率の平均は2.81%です。対して、日本国内のECサイトの平均コンバージョン率は約3〜3.8%となり、世界平均の約1.8〜3%を上回ります。その背景には、ブランディングによる信頼獲得に加え、サイト訪問前に自ら情報収集を行う顧客が増えたことにより、購入意欲の高い層がサイトを訪問する傾向にあることが挙げられます。
ECサイトのコンバージョン率改善には、パーソナライゼーションやサイト構造の簡易化、サイトスピード改善が効果的です。モバイル端末からのコンバージョン率に関しては、ECモバイル最適化やブランドロイヤルティ向上のための施策を実践してみましょう。また、Shop Payなどのチェックアウトの高速化によりコンバージョン率が向上し、売上に大きく貢献する例もあるため、ワンクリック購入の導入も検討してみてはいかがでしょうか。
コンバージョン率の平均に関するよくある質問
コンバージョン率の計算方法は?
コンバージョン率の計算方法は、以下の通りです。
コンバージョン率(%)= コンバージョン数 ÷ ウェブサイトへの訪問数 × 100
ECサイトのコンバージョン率の平均は?
ECサイトのコンバージョン率の国内平均は、約3〜3.8%です。世界的に見ると、コンバージョン率の平均は約1.8〜3%です。
モバイル端末からのコンバージョン率の平均は?
モバイル端末からのコンバージョン率の平均は2%です。
コンバージョン率の平均より低い時に考えられる原因は?
- サイトの表示スピードが遅い
- メインビジュアルのインパクトが弱い
- CTAが押しにくい
- 情報がわかりにくい
- コンバージョンのハードルが高い
- チェックアウトやフォーム入力が複雑である
コンバージョン率を上げるにはどうしたらいい?
- ターゲティングを見直す
- ファーストビューやCTAなどのUI最適化を行う
- 顧客目線でコンテンツを作成する
- チェックアウトや入力フォームの無駄を削る
- A/Bテストを行う
- 広告の訴求と表示させるページの内容を合わせる
- サイトやLPのコンテンツや構成を見直す
- 口コミや専門家からのコメントなど、権威性を高める要素を入れる




