ブログは、EC事業におけるコンテンツマーケティングの手段のひとつです。商品の背景や使い方など、読者に役立つ情報を発信することで、検索などから見込み客を呼び込むインバウンドマーケティングにもつながります。また、記事から関連商品やオンラインストアへ導くことで、読みものと買いものをつなぐ接点にもなります。
こうしたブログの内容をわかりやすく伝え、読者を必要な情報へ導くうえで、土台となるのがブログデザインです。ナイル株式会社が2025年に実施した調査によると、記事を読み進めるにあたってページデザインが影響するかという質問に対し、6割以上が「影響する」と回答しています。ブログデザインが整っていると、記事の内容やブログ全体の構成が読者に伝わりやすくなります。さらに、色や写真、フォントなどに一貫性を持たせることで、ブランドアイデンティティを視覚的に表現できます。
この記事では、優れたブログデザインに共通する特徴と、ブログデザインの参考になるサイト10選とデザインを整える具体的な方法を紹介します。

優れたブログデザインの要素
- 見出し:文字の大きさや太さに差をつけると、タイトル、章、本文などの階層がひと目でわかるようになります。長い記事でも見出しから全体の流れをつかめるようにし、ブログ全体でデザインを統一しましょう。
- ロゴ:企業やブランドのブログで公式サイトやECサイトと同じロゴを使うと、ページを移動しても一貫したブランドの印象を与えられます。ブログ専用のロゴを用意して個性を表現する方法もあります。
- ナビゲーションバー:検索用に、カテゴリーや主要ページへのリンクをまとめておくと親切です。記事数が多い場合は検索機能を加え、ECサイトと連携する場合はオンラインストアへの入口も設けましょう。
- 余白:文章や画像、ボタンなどの周囲に余白を設けると、それぞれの情報のまとまりがわかりやすくなります。見せたい要素の周囲に十分なスペースを取ることで、その要素をより目立たせることもできます。Shopifyでは無料テーマ「Horizon」を使うと、セクション間の余白などを簡単に調整できます。
- サムネイル画像:記事の内容に合ったサムネイルを使うと、タイトルだけでは伝わりにくいテーマや雰囲気を視覚的に伝えられます。画像の比率やトリミング、写真のトーンなどに一定のルールを設けると、一覧画面にも統一感が生まれます。
- 関連記事:記事の末尾などに内容の近い記事へのリンクを配置すると、ひとつの記事を読み終えたあとも、興味のあるテーマを続けて読めます。現在の記事とのつながりを意識して選ぶことで、次のコンテンツへの自然な導線をつくれます。

ブログデザインを整えるポイント
- ワイヤーフレームやモックアップを作る
- ヘッダーとフッターに統一感を持たせる
- 注目記事のコーナーをつくる
- サムネイルで内容を伝える
- ナビゲーションをわかりやすくする
- 記事タイトルを目立たせる
- 画像や図を使って文章に変化をつける
- CTAを見やすい場所へ配置する
- 拾い読みしやすいレイアウトにする
- レスポンシブデザインを優先する
ワイヤーフレームやモックアップを作る
ブログのデザインを作り込む前に、ワイヤーフレームやモックアップを作り、ページ全体の構成を確認します。
ワイヤーフレームでは、ヘッダー、注目記事、記事一覧、ナビゲーションなど、必要な要素と配置を整理します。さらに、色やフォント、画像などを加えたモックアップを作ると、実際の見え方を確認しながら細部を調整できます。
先に全体像を決めておくことで、各要素の大きさや余白、情報の優先順位をそろえられます。
ヘッダーとフッターに統一感を持たせる
ヘッダーにはブログ名やロゴを配置し、ブランドカラーやフォント、余白の取り方などをブログ全体のデザインとそろえます。
企業やブランドが運営するブログでは、公式サイトやECサイトと共通する色や書体を使うことで、ページを移動しても同じブランドのサイトだと伝わるデザインにできます。
フッターもヘッダーと同じデザインルールで整え、会社概要やお問い合わせなどの主要ページへのリンクを配置しておきましょう。
注目記事のコーナーをつくる
特に見せたい記事は、ブログトップの上部に大きく配置し、ほかの記事との視覚的な違いをつけます。
たとえば、ファーストビューに大きなヒーローイメージを配置し、画像やタイトルを通常の記事より目立たせる方法があります。背景色を変えたり、周囲に広めの余白を取ったりすると、最初に目に入るエリアをつくれます。
記事が同じ大きさで並ぶだけのレイアウトに変化を加えられるため、季節の特集や新しい連載など、優先して見せたいコンテンツに活用できます。
サムネイルで内容を伝える
記事一覧では、タイトルとサムネイルをひとまとまりとしてデザインし、記事の内容が視覚的に伝わるようにします。
たとえば、レシピ記事なら完成した料理、商品開発の記事なら商品や制作風景など、記事のテーマを象徴する画像を選びます。
さらに、画像の縦横比やトリミング方法、色調、写真の撮り方などに一定のルールを設けると、記事ごとの個性を見せながら一覧画面に統一感を持たせられます。
ナビゲーションをわかりやすくする
ナビゲーションはUXデザインを大きく左右する要素です。ブログトップの上部など見つけやすい位置に配置し、カテゴリーや主要ページへの入口がひと目でわかるようにしましょう。
項目を詰め込みすぎず、文字サイズや項目同士の間隔もそろえると、情報のまとまりが伝わります。記事数が多いブログでは、検索窓もナビゲーションの近くに配置すると使いやすくなります。
ECサイトとブログを連携する場合は、ブログ用のナビゲーションとECサイトへの導線を視覚的に整理します。ロゴを公式サイトへのリンクにしたり、ECサイト共通のナビゲーションを別の段に配置したりする方法があります。
記事タイトルを目立たせる
ブログトップでは、記事タイトルがサムネイルや補足情報の中に埋もれないよう、文字の大きさや太さ、色を調整します。
背景と文字色のコントラストを確保し、記事一覧の中でもタイトルがすぐに見つかるようにしましょう。サムネイル画像の上にタイトルを重ねる場合は、画像の明るさや文字の位置も含めて読みやすさを調整します。
概要、著者名、公開日などを表示する場合は、タイトルより小さな文字にするなど、情報の優先順位が見た目でも伝わるようにします。
画像や図を使って文章に変化をつける
記事本文では、写真、イラスト、チャート、グラフ、動画、アニメーション、インフォグラフィックなどを配置し、文字だけが続かないレイアウトにします。
画像の大きさや配置、前後の余白をそろえると、記事全体に一定のリズムが生まれます。長文では、印象的な一文や発言を本文より大きく表示し、視覚的なアクセントをつける方法もあります。
画像や図は、本文の内容を補うものを選びます。商品の使用例なら写真、数値の比較ならグラフ、操作手順ならスクリーンショットなど、情報に合った見せ方を使い分けましょう。
画像は自分で撮影するほか、次のようなフリー画像サイトで探したり、無料ツールで作成したりできます。
- Burst by Shopify(英語):ECでの利用を念頭に、さまざまな業界に関連する画像が用意されています。
- Canva:写真に加えてアイコンやテンプレートが用意されており、ブラウザ上で画像や図を編集、作成することができます
- Photock:日本の地域写真が多く用意されているフリー画像サイトです
CTAを見やすい場所へ配置する
記事には、読んだあとの次の行動につながるCTA(コールトゥアクション)を配置します。「商品ページを見る」、「関連記事を読む」、「メルマガに登録する」など、記事の内容に合った導線を設けましょう。
CTAは記事の冒頭や途中、末尾などに配置でき、ボタンだけでなく本文中のテキストリンクとして組み込む方法もあります。ボタンを使う場合は、色や大きさ、周囲の余白を調整し、本文の中で見つけやすくします。
拾い読みしやすいレイアウトにする
記事本文は、見出し、小見出し、本文、箇条書きなどの違いが見た目でわかるようにデザインします。
見出しは本文より大きくする、段落の間に余白を取る、本文の横幅を広げすぎないなど、文字の大きさや行間、余白を調整すると、文章のまとまりを把握しやすくなります。
長い記事では目次やアンカーテキストを設け、太字や色による強調も一定のルールで使いましょう。どの記事でも同じ文字組みや装飾ルールを使うことで、ブログ全体の読み心地もそろえられます。
レスポンシブデザインを優先する
ブログのレイアウトは、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットで表示したときの見え方も考慮して設計します。
画面幅に合わせて、記事一覧の列数を変える、画像のサイズを調整する、ナビゲーションをメニュー表示に切り替えるなど、それぞれの画面に適したレイアウトにします。
公開前には実際のスマートフォンでも確認し、タイトルや本文の文字サイズ、画像のトリミング、余白、ナビゲーションやボタンの位置などを調整しましょう。
ブログデザインの参考になるサイト10選
- 北欧、暮らしの道具店
- KINTO JOURNAL
- Blue Bottle Coffee
- SOÉJU JOURNAL
- THE BAKE MAGAZINE
- 山と道 JOURNAL
- Anker Magazine
- FREAK MAG.
- THE SNOW PEAK WAY
- 中川政七商店の読みもの
1. 北欧、暮らしの道具店
雑貨やファッション、食品などを販売する「北欧、暮らしの道具店」は、読みものから買いものへシームレスに移れるブログデザインが特徴です。読みものや動画、ラジオなど、多彩なコンテンツを商品と同じサイト内で展開し、記事を読んで商品に興味を持った流れを途切れさせず、そのまま商品ページへ進めるように設計されています。
トップの最も目立つ位置に大きな写真を使った記事が配置されており、その下に商品やショッピングガイド、ほかのコンテンツが並んでいます。ブログ記事を主役として見せながら、異なる種類の情報をひとつのページ内に自然に組み込んでいるのが特徴です。
サムネイルの明るさや色合い、画像のサイズ、余白の取り方などにも統一感があり、記事と商品が混在していてもページ全体がひとつの世界観でまとまっています。
上部には「商品検索」「記事」「ビデオ」「ラジオ」の入口も並び、読みもの、商品、動画などを自然に行き来できるデザインになっています。
2. KINTO JOURNAL
テーブルウェアやタンブラーなどを展開するライフスタイルブランド「KINTO(キントー)」のブログは、大きさの異なるサムネイルを組み合わせた、アルバムのようなブログデザインが特徴です。記事を同じサイズのカードで単純に並べるのではなく、大小の画像に変化をつけて配置し、一つひとつのビジュアルを楽しみながら読みものをたどれるデザインになっています。
写真を大きく見せるシンプルなデザインで、商品や料理、人物、風景など異なるテーマの記事が並んでも、写真のトーンや余白に統一感があります。記事によっては動画がサムネイルとして表示され、静止画が並ぶページに動きを加えています。
3. Blue Bottle Coffee
コーヒーブランド「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」のブログは、余白を広く取り、写真と文字を規則的なグリッドで配置したおしゃれでミニマルなブログデザインが特徴です。
記事一覧では、写真の比率やタイトル、概要文の位置をそろえ、カフェ、商品、音楽など異なるテーマの記事を整然と見せています。装飾を抑えることで、一つひとつの写真が引き立っています。また、タグから記事を探すことも可能です。
オンラインストアと共通する余白やタイポグラフィ、写真の見せ方をブログにも取り入れ、ブランド全体で一貫したビジュアルをつくっています。
4. SOÉJU JOURNAL
大人の女性向けファッションブランド「SOÉJU(ソージュ)」のブログは、カテゴリーやタグをデザインの一部として使い、記事の種類をわかりやすく見せているのが特徴です。
ページ上部には注目記事を大きく配置し、その下に複数のカテゴリーを並べています。記事のサムネイルにもカテゴリーラベルが添えられ、一覧を見ただけで記事のタイプがわかるようになっています。
さらに、「#私を語る一着」などのタグからも記事を探せます。白を基調に余白を広く取り、写真とテキストをシンプルに配置しながら、カテゴリー名やタグをナビゲーションだけでなく視覚的な情報としても活用しているブログデザインです。
5. THE BAKE MAGAZINE
菓子ブランドを展開するBAKE(ベイク)のオウンドメディア「THE BAKE MAGAZINE(ザ・ベイク・マガジン)」は、ファーストビューいっぱいに記事のビジュアルを見せる、雑誌のようなブログデザインが特徴です。
トップでは、注目記事の写真やグラフィックを画面いっぱいに大きく配置し、その上に記事タイトルやカテゴリー、公開日を重ねています。一度に多くの記事を並べるのではなく、まず一つの記事を強く印象づけることで、ページを開いた瞬間からメディアの世界観が伝わる構成です。
大きなビジュアルを主役にしながら、カテゴリーや次の記事への入口を画面の周囲に配置することで、雑誌をめくるようにコンテンツを楽しめるデザインになっています。
6. 山と道 JOURNAL
ハイキングの道具を展開する「山と道」の「JOURNAL」は、豊富なカテゴリーをコンテンツの入口として大きく見せたブログデザインが特徴です。山と道では、JOURNALをハイキングの方法論や道具、トレイル、歴史、文化などを扱うWebメディアとして展開しています。
ページ上部には「ハイキング記」「道具の話」「人とコミュニティ」「思考とアイデア」などのカテゴリーを、記事数と短い説明文とともに配置しています。カテゴリー名だけを並べるのではなく、それぞれにどのような記事があるのかを伝えるナビゲーションになっています。
7. Anker Magazine
モバイルバッテリーや充電器などを展開する「Anker(アンカー)」の「Anker Magazine(アンカーマガジン)」は、カルーセルを使って複数の注目記事を見せるブログデザインが特徴です。
ページ上部では、中央の記事を大きく表示しながら、左右にも別の記事のサムネイルを配置しています。矢印で記事を切り替えられるため、ファーストビューの限られたスペースを使って複数のコンテンツを紹介しています。
白を基調としたシンプルなレイアウトの中で、タグやアイコン、カルーセルのインジケーターなどにブランドカラーのブルーを取り入れているのもポイントです。色を使う場所を絞ることで、情報を整理しながらAnkerらしい印象をつくっています。
8. FREAK MAG.
セレクトショップ「FREAK'S STORE(フリークスストア)」などを展開するデイトナ・インターナショナルのWebメディア「FREAK MAG.(フリークマグ)」は、雑誌の誌面をそのままウェブ上に広げたような、大胆なブログデザインが特徴です。
大きなタイポグラフィやグラデーション、傾いた写真や円形のトリミング、アニメーションなどを組み合わせ、一般的なカード型の記事一覧とは大きく異なるレイアウトを採用しています。画面を大きく分割したり、写真と文字の配置を記事ごとに変えたりすることで、スクロールするたびに異なるビジュアルが現れます。
ファッションや人物、カルチャーなどを扱うメディアの個性を、ページのレイアウトそのものでも表現しているブログデザインです。
9. THE SNOW PEAK WAY
アウトドアブランド「Snow Peak(スノーピーク)」の「THE SNOW PEAK WAY(ザ・スノーピーク・ウェイ)」は、大きな注目記事と小さな記事カードを組み合わせ、サイズの違いでコンテンツの優先順位を見せるブログデザインが特徴です。
ページ左側には写真を大きく使った注目記事を配置し、時間の経過とともに別の記事へ自動で切り替わります。右側には複数の記事をコンパクトに並べることで、まず見てほしい記事を強く見せながら、ほかの読みものも同時に確認できる構成です。写真の大きさや記事カードの配置にメリハリをつけることで、視線を自然に注目記事からほかのコンテンツへ導くレイアウトになっています。
10. 中川政七商店の読みもの
工芸を生かした生活雑貨などを展開する中川政七商店のブログは、豊富な記事をさまざまな切り口から探せるブログデザインが特徴です。トップには大きな写真を使った記事が配置され、その下に「特集」「おすすめの読みもの」「新着の読みもの」などが続きます。
上部のナビゲーションには複数の入口が用意され、キーワード検索もできます。新着順だけでなく、テーマや地域、特集などから興味のある記事へ進めるため、記事数が増えても過去のコンテンツを見つけやすい構成です。
記事数の多いブログで、コンテンツをわかりやすく整理するお手本になるデザインです。
まとめ
ブログデザインは、記事を読みやすく見せるだけでなく、ブランドの世界観を伝え、読者を次のコンテンツや商品へつなぐ役割も担います。
見出しや余白、サムネイル、ナビゲーションなどの基本を整えたうえで、写真やフォント、色の使い方に一貫性を持たせることで、ブランドらしいブログをつくることができます。ECサイトと連携する場合は、読みものから関連商品やオンラインストアへ自然に移れる導線も意識しましょう。
今回紹介した事例や、ほかの成功したブログの例を見ると、注目記事を大きく見せる、サムネイルのサイズに変化をつける、カテゴリーやタグを活用するなど、ブログの見せ方はさまざまです。読者の行動や発信する内容に合わせてデザインを整え、ブランドへの理解を深めながら、商品との新しい接点をつくれるブログを目指しましょう。
ブログデザインに関するよくある質問
ブログをデザインする方法は?
まず、Shopify(ショッピファイ)などのサイト構築サービスで、スマートフォンにも対応したテーマやテンプレートを選びます。そのうえで、ヘッダーやナビゲーション、サムネイルなど、ブログの基本的な要素を整えましょう。
ページには適度な余白を取り、写真や画像を使って内容を視覚的に伝えます。特に見せたい記事はトップで大きく表示すると、ページにメリハリをつけられます。記事本文では、見出しや箇条書き、画像などを使い、内容を読み進めやすいレイアウトに整えましょう。
ブログデザインに統一感を出すには?
ブランドカラーやフォント、余白の取り方、サムネイル画像の比率や写真のトーンなどに共通のルールを設けましょう。ヘッダーやフッター、記事一覧、本文でも同じルールを使うことで、ページをまたいで一貫した印象をつくれます。
Shopifyでブログは作れる?
はい。Shopifyにはブログ機能が標準で備わっており、管理画面からブログの作成や記事の投稿・編集ができます。画像を入れたり、記事をカテゴリーごとに整理したり、ブログ用のテンプレートを設定したりすることも可能です。
オンラインストアと同じサイト内でブログを運営できるため、記事から商品ページへリンクしたり、ナビゲーションにブログを組み込んだりして、読みものと買いものをつなげることもできます。




